AJ's DIARY　もしも明日が晴れたなら

IT系の団体に勤めている友人がいる。啓蒙活動のような仕事だ。

ITとはインフォメーション・テクノロジーだが、IT系といえば概ね開発を生業とする企業や人々である。
開発とはソフトウェア開発だ。

……と、ここから説明しなくてはならない。
これが「建築です」と言えば、「家かな？道路かな？」となる。
これが「金融です」と言えば、「株かな？証券かな？」となる。
これが「IT系です」と言うと、まず上記のように注釈を入れなくてはならない。
２１世紀も１２年目(だよね)に突入したが、ITには啓蒙が必要なのだ。

友人の仕事は、IT系企業が”ちゃんと働ける”ように仕組みを整えることである。
IT系では、”受注をなあなあで済ませた為に、後でトラブルになる”という問題がよく発生する。
これは、発注する者（クライアントと呼ぶ）と、受注するもの（ベンダと呼ぶ）の間で、”何を作ればよいのか”を充分に検討されないため起きるのだ。
ベンダも悪い。しかし、こういうトラブルを減らそうとする動きは多い。友人の仕事はまさにこれだ。
一方クライアント側の注文が曖昧すぎて、作るに作れない、という場合が非常に多いそうだ。
閑話、クライアントとベンダの間にコンサルタントが挟まって、更に問題を悪化させるケースが最悪だと言う。
休題、このようにIT系は時代に求められながらその実体は意外なほど、そして深刻なほど知られていない。
友人の話で特に強調されていたのは、ITについて取材に来た新聞記者でさえ初歩的な疑問ばかりで、話が進まないまま時間切れで帰ってしまった体験だった。
昨今の遠隔操作ウィルス事件も良い引き合いだろう。

そこで、全くの入門者向けに１分で分かるIT基礎知識を伝える文章を作ってみたい。
【説明しよう】タグは、このような文章を以降も続けて物書きの訓練とするためである。

ITとはインフォメーション・テクノロジー、情報技術である。
ITにおいて、情報とはデジタルデータである。ITはデジタルデータしか扱えない。
デジタルデータには色々な「型」がある。数字や、文字や、音や色など。
コンピュータは「０」と「１」しか理解できないが、「１０１１００１」は「赤色」というふうに予め決めておくことができる。
IT技術は、情報(=デジタルデータ)を「記憶」して「処理」する事ができる。それしかできない。
情報を処理するとは、足したり引いたり、コピーする事である。
また、機械を制御し、動かすことである。

IT系と言えばソフトウェア開発を主に指す。
ソフトウェアはプログラムでできている。
プログラムとは「予め決められた行程」である。卒業式のプログラム、などと言う。
ソフトウェアは、予め決められた通りに情報を処理する。また機械を動かす。

プログラムは、入力・出力、条件分岐、繰り返しなどの処理を組み合わせてできている。

電子機器はソフトウェアで制御されている。
パソコンもスマートフォンもソフトウェアで制御されている。
昨今ではテレビも自動車も電子機器が組み込まれている。
公共交通網や飛行機の予約システム、金融システムもソフトウェアで制御している。

テレビを制御するのに自動車用のソフトウェアは要らない。
飛行機の予約システムは、金融システムとは全く異なる。
IT企業はソフトウェアを受注し、開発して販売している。
それぞれのIT企業で、得意なソフトウェアは異なる。